半導体の高速・高精細検査でお客様のサステナビリティに貢献
東レエンジニアリング先端半導体MIテクノロジー㈱(以下TRENGMI)の半導体検査装置「INSPECTRA®」は、お客様のサステナビリティに貢献する。同装置を導入することで、廃棄物削減や二酸化炭素(CO2)排出削減などに結び付くからだ。「INSPECTRA®」は2000年から販売する光学式半導体検査装置で拡大が見込まれる車載用パワー半導体向けで国内トップシェアを誇る。東レエンジニアリンググループでは、現在、ウェーハ製造から最終テストまで各種装置を取り揃えて販売増に力を入れている。
速度と精度の両立
「INSPECTRA®」最大の特徴は高速・高精細検査だ。量産品の画像からデータを作成し、検査画像と製品を比較。過剰検出の少ないアルゴリズムによって、不良品の発生を早い段階で防ぐ。標準品の300㎜φの半導体ウェーハは最高速度で1時間100枚以上処理する。こうした高速・高精度で検査できるのは「INSPECTRA®」以外にはないとお客様から高い評価を受けている。2023年12月に発売した最新鋭機の「SR-Ⅳ」では300㎜φの半導体ウェーハのスループット(ウェーハ1枚を検査するために掛かる時間)は従来機に対し、最大約2倍の高速化を実現した。

廃棄物やエネルギー消費量をいかに減らすか
「INSPECTRA®」は半導体の各製造工程に採用されるが、早い段階で不良品を検出できるため、後工程に不良品が流れることがない。これはお客様の生産性を向上させるだけでなく、廃棄物の削減につながる。前工程で不良品を発見できれば、後工程でムダな加工も減るからだ。また、「INSPECTRA®」による高速・高精度検査はエネルギー消費量を削減し、CO2削減への貢献につながる。従来機よりも高速化した「SR-Ⅳ」では、300㎜φウェーハ1枚検査時のCO2排出量は10%削減でき、一定の条件下※で換算すると1台当たりで年間1.7万トンのCO2削減に貢献する。
- 12インチウェーハを5倍の対物レンズで、最速動作を維持して全面検査を行った場合
昨今はサステナビリティやSDGsに対する関心が高まるだけに「INSPECTRA®」でも廃棄物削減やエネルギー消費量削減に結び付く利点を積極的に提案するとともに、サステナビリティを意識した検査装置の開発に取り組む。消耗部品の耐久性向上や更なる高速化もテーマの一つだ。高速化しながら高精度の検査ができるようなアルゴリズムの開発を進めており、現在の25%~50%以下という高いスループットを目標に掲げる。


製造ムダの少ないガラス基板向け検査技術も開発
2025年から発売した大型ガラス基板検査装置もサステナビリティに寄与する。高効率に先端半導体を製造する技術であるガラス基板用は、従来のシリコンウェーハのような円形ではなく四角形。チップ数にムダが出ないため注目されているが、ガラス製のため微細なひび割れなど不良品も生じる。これを検査できる装置が求められていたが、従来は表面検査のみで裏面や内部まで検出できるものはなかった。同社は「INSPECTRA®」の技術をベースに業界初の両面検査・内部検査を可能にした装置を開発した。しかも、高速検査を維持。ムダを出さないガラス基板の本格化に寄与する。これも間接的にはサステナビリティにつながる。
「INSPECTRA®」は高速情報通信の発展に貢献するとともに、廃棄物の削減やスループット向上によりCO2削減などサステナビリティに結び付く検査装置と言える。

東レエンジニアリンググループは、これからもお客様に提供する先端技術や製品を通じて世界的な課題解決を実現する「サステナブル・エンジニアリング」を推進していきます。