コアシェル方式CF複合材3D造形機を機能強化

2023年6月21日

東レエンジニアリング株式会社

コアシェル方式CF複合材3D造形機
コアシェル方式CF複合材3D造形機

 東レエンジニアリング株式会社(本社:東京都中央区、社長:岩出 卓、以下「東レエンジ」)は、これまで展開してきたコアシェル方式を使用した炭素繊維(CF)複合材料用3D造形機の機能を強化し、造形スペースを拡張したモデルを新たに開発しました。
本機種により従来から約2倍のサイズの造形が対応可能になるため、造形品の幅が広がることや、小型部材であれば並列造形が可能になることで造形効率の向上効果が見込まれます。

 3次元造形物を製作するために用いられる3Dプリンターは、樹脂や金属材料を高さ方向に積み重ねながら造形するので高さ方向の機械強度や剛性は、水平方向のそれよりも劣るため、強度と剛性に「異方性」があることが知られています。当社が展開するコアシェル方式CF複合材3D造形機は造形方法を見直し、型となるシェルを光硬化性の3Dプリンターで少しずつ成型しながら、その型内に熱硬化性のCF複合材料を逐次流し込んだ後、最後に一括して液体状のCF複合材料を熱硬化させます。このように、CF複合材料だけを見れば、高さ方向に材料を積み重ねた積層構造体ではないので、原理的に、強度や剛性は造形物内で均一となるため、「異方性」のない造形物を製作することに成功した装置です。この造形方式にCF複合材料を適用することで、より高強度、高剛性の造形物を製作することが可能となります。
 今回は、当社の先端設計技術により、光造形3Dプリンター内の造形スペースを最大限有効活用するコア材充填機構の導入に成功したことで造形スペースの拡張を実現しました。

 当社は、コアシェル方式CF複合材3D造形機を関西本社(滋賀県大津市)に設置し、お客様の試作造形を通じて、装置の更なる機能向上やチューニングを行う「オープンラボ」の取り組みを行っています。本装置についても、「オープンラボ」でのラインナップに加えて展開を開始する計画です。「オープンラボ」は、従来、当社の横浜拠点(神奈川県横浜市)で取り組んでまいりましたが、今般、関西本社に移設することで、当社が扱う他の開発技術とも連携させ、総合的な提案が可能となります。本装置は6月21日から23日まで開催される展示会「次世代3Dプリンター展」に出展する計画です。今回の出展を機に「オープンラボ」での取り組みを本格的に展開し、幅広いソリューションを提案してまいります。

 東レエンジは、技術とエンジニアリング、ノウハウにより、ものづくりの現場への新しいソリューションの提供を通じて、社会に貢献してまいります。
 今回の機能強化品の詳細は以下の通りです。

1.製品名 コアシェル方式CF複合材3D造形機
2.特長
  • ①造形物の機械特性が「等方的」
  • ②ミルド系炭素繊維(CF)含有エポキシ熱硬化樹脂の使用によって高剛性/高強度の造形物を実現
  • ③一般的な樹脂とほぼ同様の加工容易性
  • ④従来装置の約2倍の造形スペースを確保
3.展開用途 各試作部品、治具、軽量高強度品、ヘルスケア分野

「次世代3Dプリンター展」について

1.展示会名 次世代3Dプリンター展
2.会期 2023年6月21日~23日 10:00~18:00(最終日は17:00まで)
3.場所 東京ビッグサイト
4.公式サイト https://www.manufacturing-world.jp/tokyo/ja-jp/about/am.html
5.東レエンジブース 10-33(東レグループのブース内で出展)

参考

造形スペースのイメージ
造形スペースのイメージ

以上