業界最高水準の精度を実現した半導体チップ外観検査装置「INSPECTRA® CR-Ⅲ」の販売開始
2022年12月13日
東レエンジニアリング株式会社

東レエンジニアリング先端半導体MIテクノロジー株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長:佐藤 謙二、以下「東レエンジMI」)は、この度、業界最高水準の精度を有する半導体チップ外観検査装置「INSPECTRA® CR-Ⅲ」を開発し、23年1月から販売を開始します。
本装置は、半導体ウエハー外観検査装置「INSPECTRA® SR-Ⅲ」の高精度な検査機能と、高効率なチップハンドリング技術の融合で実現したもので、半導体チップの外観検査装置としては、業界で初めてとなる専用装置です。これまで一般的に使用されてきた装置に比べて約5倍の精度を実現するとともに、従来品とほぼ同等の効率を有することが特徴です。
当社は「INSPECTRA® CR-Ⅲ」を、高精度で高効率な半導体チップ検査へのニーズが特に高まっている車載用パワー半導体を展開するお客様へ提案し、2023年度に6億円、2025年度には10億円の受注高を目指します。
脱炭素社会の実現に向けた電力活用の広がりとともに、大きな電圧・電流をコントロールするパワー半導体への注目が高まっています。特に車載用途においては、電力ロスの最小化や小型化(軽量化)が、航続距離の延伸といった自動車の性能に直結するため、電気自動車の拡大に向けてパワー半導体の一層の性能向上が期待されています。
現在、回路の微細化や多層化、チップの小型化などにより、パワー半導体の性能向上が進んでいます。これまで一般的なパワー半導体製造工程において、最終検査となる半導体チップ検査には電子部品の検査装置が流用されることが一般的でした。しかし、大きな電力を使用する車載用途においてパワー半導体の微細な欠陥が大きなトラブルにつながる恐れもあり、昨今では安全性・信頼性のさらなる向上に向けて半導体チップ検査の一層の精密化へのニーズが高まっています。
このニーズに対して、当社は、半導体ウエハー外観検査装置で培った高精度の光学顕微鏡技術をチップ検査用途に展開することで、半導体チップ検査用途で一般的に使用されている装置の約5倍の精度となる1㎛クラスの欠陥まで検知することを可能にしました。さらに東レエンジニアリングの半導体実装装置事業で高めてきた半導体チップの高効率ハンドリング技術により、複数の半導体を同時に搬送・検査する機構の開発により、検査効率を一般的に使用されている装置同等に維持することに成功しました。
加えて、本機種ではINSPECTRA®シリーズの他の機種同様にAIによる効率的な学習機能と欠陥分類機能を合わせ持つ「AI‐ADC」(Automatic Defect Classification)と組み合わせることができ、検査のさらなる効率化が可能です。
なお、本装置は、2022年12月14日から東京ビックサイトで開催される「SEMICON Japan」展でパネル展示でご紹介する予定です。
東レエンジMIは、光学式・電子線式の各半導体検査装置の展開で半導体の性能向上・信頼性向上に貢献し、電力の活用シーンの拡大による低炭素社会の実現に貢献してまいります。
当社は、テクノロジー、エンジニアリング技術、ノウハウを駆使してモノづくりにおけるあらゆる課題解決に向けたソリューションを提供します。
記
1. 商品名 | 「INSPECTRA® CR-Ⅲ」 |
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2. 製品特長 |
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3. 展開用途 | パワー半導体の外観検査 |
4. 受注目標 | 2023年度 6億円 2025年度 10億円 |
<参考>
SEMICON Japan」出展について
1. 展示会名 | SEMICON Japan 2022 |
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2. 場所 | 東京ビックサイト |
3. 会期 | 12月14日 (水) - 16日 (金) 10:00-17:00 |
4. 小間番号 | 4016 |
以上