高効率マイクロLED転写装置「MT3000L」の販売開始

2022年12月1日

東レエンジニアリング株式会社

マイクロLED転写装置「MT3000L」
マイクロLED転写装置「MT3000L」

 東レエンジニアリング(本社:東京都中央区、社長:岩出 卓、以下「東レエンジ」)は、この度、高効率マイクロLED転写装置「MT3000L」を開発し、12月から販売を開始します。
 本機器は、マイクロLEDディスプレイの既存製造工程で使用する装置です。これまで一般的だった転写装置に比べて業界最高速度となる約2倍の転写速度を実現しています。さらに2.5世代の基板サイズ※1への高速転写を業界で初めて可能にし、高効率に製造できるディスプレイサイズの幅を広げています。
 当社は「MT3000L」をマイクロLEDディスプレイメーカーへ提案し、2023年度に8億円、2025年度には15億円の受注高を目指します。

 マイクロLEDディスプレイは、バックライトが不要であることから消費電力量が低く抑えられるため環境配慮型のディスプレイとして注目されています。さらにコントラスト比が高いため、画像がクリアになるなどのメリットがあり、次世代型ディスプレイとして期待されています。しかしながら、数十µm角の微小なLEDを大量に使用するため、マイクロLEDチップの転写に時間を要することや、一定数が必ず含まれる欠陥チップの除去と再転写に時間とコストがかかる点がマイクロLEDディスプレイの量産化に向けた課題となっています。
 東レエンジは、これまでマイクロLED転写装置「RAP-LLO®」シリーズの展開を通じて、欠陥チップの抽出および除去を高精度に行い、良品チップのみを集中的に高速転写する新たな一貫型工程を業界に先駆けて開発し、提案してまいりました。

 「MT3000L」は、現在主流となっている工程※2での高効率化に寄与する装置です。当社は、マイクロLED転写装置「RAP-LLO®」シリーズの展開を通じて提案する新しい高効率工程に加えて、業界でニーズのある既存工程の延長での効率化の推進にも注力しています。今回の装置では、当社の半導体実装装置で培った多様な要素技術を応用することで、現在業界で広く使われている当社従来装置比で約2倍の転写速度を実現しています。さらに、FPD製造装置事業で培った大型基板での高速、高精度位置決め技術を応用し、2.5世代の基板サイズへの対応を可能としたことで、高効率に製造できるディスプレイサイズの幅を広げることに成功しています。

 東レエンジグループでは、消費電力の少ないマイクロLEDディスプレイの高効率な製造技術の開発・展開を推進して環境配慮型製品の社会での浸透に貢献することで、カーボンニュートラルな社会の実現に貢献してまいります。
 当社は、テクノロジー、エンジニアリング技術、ノウハウを駆使してモノづくりにおけるあらゆる課題解決に向けたソリューションを提供します。

1. 商品名 MT3000L
2. 製品特長
  • 大型(2.5世代)基板への対応が可能
  • 従来品比2倍の高速処理を実現
3. 展開用途 マイクロLEDディスプレイ製造
4. 受注目標 2023年度 8億円
2025年度 15億円
  1. 370mm×470mmの画面サイズ。
  2. 業界でのスタンダードになっている製造方法で、マイクロLEDチップを高速転写したのちに、一定割合で含まれる欠陥チップを除去して、再転写していく製造方法。

以上