半導体ウェーハ検査装置INSPECTRA®シリーズに検査アルゴリズムにAI を融合した高機能機種が登場
2021年7月14日
東レエンジニアリング株式会社(本社:東京都中央区、社長:岩出 卓、以下「東レエンジニアリング」)は、これまでライフサイエンス分野で活用されてきたAIによる画像分類技術を工業分野向けに展開し、製品検査等に応用することに成功しました。この技術を東レエンジニアリングの子会社であるTASMIT株式会社(タスミット、本社:横浜市港北区、社長:佐藤 謙二、以下「TASMIT」)が光学式半導体ウェーハ検査工程用に最適化し、半導体ウェーハ検査装置INSPECTRA®(インスペクトラ)に「AI-ADC(Automatic Defect Classification、自動欠陥分類機能)」として搭載し、8月から本格販売を開始します。
販売目標は2021年度に50億円、2025年度に90億円です。
AIによる製品検査は、精度向上のために運用前に大量の例示画像を分類区分に紐付けし、検査条件を作成する必要があります。この条件作成は、従来は人の手で行う必要があり、精度向上を図るためには時間と手間を要するという課題がありました。今回新たに搭載した「AI-ADC」は、条件設定にAIによる事前分類機能と、検査条件作成フローの可視化を可能にする「自己組織化マップ(Self-Organizing Map)機能」(以下「SOM機能」)を有しています。このため、手作業で行う条件設定作業を減少させることで準備段階での大幅な効率化が可能となります。その結果、同条件下において分類から条件作成までの所要時間を従来比約6分の1(当社調べ)にまで短縮することに成功しました。
本技術は画像解析を行うエルピクセル株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:島原 佑基、鎌田 富久)がライフサイエンス分野向けに開発したもので、当社とのオープンイノベーションにより東レエンジニアリングが工業用途へ業界で初めて転用したものです。
また、INSPECTRA®のAIによる欠陥検査には「ランダムフォレスト」方式を使用しており、約300項目に細分化した判定基準を用い、高感度・高精度な自動判定を実現しています。「ディープラーニング」方式に比べて判定根拠が明確なことから、SOM機能と組み合わせることで、過検出や誤判定が起こった際に精度向上に向けた調整ができることも特長の一つです。
本製品は2020年より一部のお客様に先行してご提案してきましたが、今般、本格販売を決定しました。
今後も東レエンジニアリンググループは、最先端のAI技術の追求により、当社の持つテクノロジー、エンジニアリング技術、ノウハウを駆使したソリューションにより、社会に貢献してまいります。
今回、開発した「AI-ADC」の詳細は以下の通りです。
商品名 | INSPECTRA® AI-ADC搭載タイプ |
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製品特長 |
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展開用途 |
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販売目標 |
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以上