ワイエムシィと東レエンジアニリングは核酸医薬製造に関するシステムインテグレーション技術の共同開発を開始します。
2019年6月26日
総務部広報宣伝課
株式会社ワイエムシィ(所在地:京都市下京区、社長:山村 隆治、以下「ワイエムシィ」)と、東レエンジニアリング株式会社(以下「東レエンジニアリング」)は、核酸医薬製造に関するシステムインテグレーション技術の共同開発を開始します。本件に関連する技術は、7 月3 日から5 日まで東京ビッグサイトで開催される展示会「第3 回バイオ医薬EXPO」に出展します。
近年、核酸医薬は世界中で研究開発が盛んに行われており、研究レベルだけでなく、量産レベルの核酸合成設備が期待されています。また、核酸医薬の製造には合成後のクロマトグラフィー精製が不可欠であり、高純度・高回収率・低コストの精製技術が求められています。
ワイエムシィは液体クロマトグラフィー用充填剤及び充填カラムの製造・販売を手掛ける、分離精製技術における世界的なメーカーです。ワイエムシィが開発・販売するツインカラム連続クロマトグラフィー精製システム「Contichrom」には、分離モードが異なる2 本のカラムを連続で用いることができる独自の機能があり、合成後のクロマトグラフィー精製の各ステップを連続フローで繋ぐことが可能になりました。
東レエンジニアリングは「エンジニアリング」と「ものづくり」を基本コンセプトに、リチウムイオン電池製造装置やFPD(Flat Panel Display)製造装置で世界的なシェアを誇る、開発型のエンジニアリング会社です。東レエンジニアリングは、エンジニアリング会社として医薬品製造プラント建設で培ったノウハウと実績を強みとするだけでなくライフイノベーション分野の技術開発にも力を入れており、昨年の展示会「第31 回インターフェックスジャパン2018」では核酸医薬の製造をターゲットとした核酸合成装置:「Molecutideser」(商標出願中、旧呼称:TRS-500)を発表しました。
現在、核酸医薬製造プロセスはラボベースでの手順を踏襲し手作業や長時間かかるプロセスが混在しています。今回ワイエムシィと東レエンジニアリングは、ワイエムシィの分離精製技術と東レエンジニアリングの核酸合成技術をもとに、量産設備を見据えたプロセス機器の開発を行い、核酸医薬製造に関して、目的物の高純度・高収率・低コストの合成・精製が可能になるとともに、スケールアップによる量産プロセスへの設備設計が容易になることが期待できるシステムインテグレーション技術の確立を目指します。


(ChromaCon はワイエムシィのグループ会社です)
<株式会社ワイエムシィについて>
株式会社ワイエムシィは1980 年に京都で化学ベンチャーとして創業したHPLC (High Performance LiquidChromatography) メーカーです。創業当時より世界最高水準の液体クロマトグラフィー用カラム・充填剤の開発に取り組んでまいりました。同時にHPLC 業界のパイオニアとして工業用分取クロマトグラフィー技術、装置を開発し、医薬品をはじめとする高付加価値物質の分離精製技術を提供してまいりました。クロマトグラフィーにとって重要な2 つの要素である充填剤とクロマトグラフィー精製システムの両方での経験を活かしたGMP (Good Manufacturing Practice)準拠の精製設備を有し、主に医薬品原薬を対象とした受託精製事業にも積極的に取り組んでいます。さらに、クロマトグラフィー精製における回収率や生産性を飛躍的に向上させる連続クロマトグラフィー精製システムの開発・販売も行っています。
<東レエンジニアリング株式会社について>
東レエンジニアリング株式会社は1960 年、東レ株式会社の工場の建設や設備の製造を担う会社としてスタートしました。現在では、医薬品/ファインケミカル工場の建設や、生産管理システムやFA(Factory Automation)・生産自動化エンジニアリングを手掛けるほか、リチウムイオン電池や液晶パネルの製造装置では世界的にもトップクラスの実績を誇ります。ユーザー系エンジニアリング会社でありながら親会社への依存率は極めて低く、開発を重視し、また積極的にベンチャー企業とのアライアンスを進めています。「エンジニアリング」と「ものづくり」を併せ持つ技術力で、高度化・多様化するお客様のニーズに最適なソリューションを提供します。
以上