2017年6月28日

広報宣伝課

「フラーレン被覆炭素繊維を用いた3Dプリンター用造形材の開発」について
-平成29年度埼玉県新技術・製品化開発費補助金事業に採択-

弊社はこのたび、国立研究開発法人 理化学研究所(所在地:埼玉県和光市、理事長:松本 紘、以下「理研」)、および弊社関係会社:レイテック株式会社(所在地:埼玉県川越市、代表取締役社長:江口 禎三、以下「レイテック」)と共同で、「フラーレン被覆炭素繊維を用いた3Dプリンター用造形材の開発」の事業テーマにおいて、平成29年度埼玉県新技術・製品化開発費補助金(ナノカーボン分野)の交付企業に採択されました。

ものづくりに革命を起こしつつある3Dプリンタにおいて、複合材料とくに炭素繊維複合材(CFRP)の造形が可能と謳う技術、商品はこれまでに存在します。しかしながらこれら既存技術商品においては、その造形方法に起因して複合材としての特性をフルに発揮させ得る造形は出来ず、造形物の形状、機能が限定されたものであるという問題がありました。今回採択されたテーマは、形状、複合材としての特性をフルに発揮させうる造形物を実現するための新規な3Dプリンタおよび当該3Dプリンタ用造形材料(ペースト材)の開発を行うものです。

今回の開発では、理研の有するフラーレン被覆炭素繊維を用いて、高流動性CCF(Chopped Carbon Fiber)含有ペースト材の実現を目指します。CCFの表面にフラーレン誘導体をコーティングしてペースト基材との付着力を向上されるとともに、炭素繊維間相互作用を緩和して流動性の高いペースト材を開発します。同時にエポキシ樹脂中の炭素繊維濃度(Volume Fraction: Vf)を増加させることで造形後の機械特性を大幅に改善させ、複合材3Dプリンタ造形物に求められる強度等の機械特性と造形性の両立を実現し、2019年度の実用化を目指します。

弊社は2020年度までの4年間を期間とする中期経営課題への取り組みを2017年4月1日にスタートいたしました。そのフォーカスポイントは“「E&M Innovation」最適なソリューションを提供します”とし、当社グループの重点分野を「IoT」、「LI」、「複合材料」、「検査」の4分野と定めました。本件は、「複合材料」の分野におけるソリューション提供につながるものと位置づけております。

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